ディスレクシア(読字障害)

知的能力には問題がないはずなのに、文字の読み書きが苦手になってしまうディスレクシア(発達性読み書き障害)という症状があります。一般人の人には普通に読める文章でも、ディスレクシアの人は読むのに時間がかかってしまったり、スラスラ音読できないなどの行動が見られます。
読むことが苦手なため、当然書くことにも影響が出てしまいます。よって、「発達性読み書き障害」と呼ばれることが多いです。これは、脳機能に先天的に困難を抱えているために起こる障害なので、本人のやる気では解決できません。しかし、周囲の人は症状を知らないと「本人の努力不足」と指摘してしまい、結果的に本人の自尊心や学習意欲が失われてしまうことは多いです。
ディスレクシアのある子への支援
ディスレクシアのある子への支援はまだ十分に確立されてはいませんが、音韻の認識、あるいあは文字情報処理の力に課題を持つことが多いです。よって、文章を脳で処理しやすい形に変えると、読む負担が減ると言われています。
以下でディスレクシアの子に有効とされる方法を紹介します。
①分かち書き
英語のように、単語と単語の間を開ける方法です。特に、小学2年生の教科書は、途中までひらがなが多く、読みにくいので「分かち書き」が使われています。(一斉休校の連絡(2020年3月1日現在):緊急時の連絡では、日本語が不十分な外国籍の人にも伝わるよう、分かち書きを用いた文章が用いられることがあります。)
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②文節で区切る
文が長い場合、文節で線を入れる(上)、丸で囲む(下)のように支援をすると、単語一つひとつが明確になり、読むとき理解しやすくなります。


③リーディングスラッガー
物語や説明文は、基本的に文が一面に広がっています。(写真上)
そのため、文字情報が多すぎるためディスレクシアの人は文字情報処理が困難になります。そこで、一文のみに注目できる「リーディングスラッガー」という道具を使うと、必要な情報が制限されるので、読む時の負担が減ります。(写真下)


④カラーバールーぺ
リーディングスラッガーと似ている道具です。
- リーディングスラッガーと同様に、一文のみ注目させる
- ルーペ機能で文字が2倍の大きさになる
- 読む箇所に色がついているので脳が判断しやすい
という読みに困難がある人には効果的な道具です。


最後に

一昔前は、ディスレクシアであっても「やる気がない」と気持ちの問題として見過ごされるケースばかりでした。しかし、現在は障害理解が進み、
- 適切な支援方法の広がり
- 法律による合理的配慮の義務化
など、困難のある子への環境整備が進んでいます。一人でも困っている子どもを支えるために、今後も学び続けて参ります(^ ^)