話を聞く力
子どもに身に付けて欲しい力は多々ありますが、「話を聞く力は特に大切!」という人はいると思います。先生の話に集中してくれれば、活動・授業もスムーズですし、友達の意見を真剣に聞ける子が増えると、子ども同士の交流が活発になります。
しかし、大人の思いとは裏腹に「話を聞く」ことが苦手な子はいますし、特に、発達に困難のある子は苦手なケースが多いです。
なぜ話を聞けない?

「話を聞く」というのは、そもそも難しい指導です。
幼児期〜学童期の段階では、
▶︎ 集中力がもたない
▶︎ 聞く姿勢を取ることが耐えられない
▶︎ 聞けない子に影響されて聞けなくなる
など色々な要因が「話を聞く」という活動を妨げてしまいます。
反対に、先生側の話すスキルが未熟なことで、子どもが耐えられない場合も多くあります。意外と「話す」ための指導を行っていない、学校・施設はたくさんあります。
どう対応する?
先生の話すスキルは、練習するしかありません。
▶︎ 余計な言葉を削る
▶︎ 短文で1つずつ伝える
▶︎ イメージを持たせるエピソードで語る
▶︎ 子どもに合わせてスピードを調節する
▶︎ 「え〜」「あ〜」と言わない
など1つずつ意識していきましょう。
一方、子どもへの指導は簡単ではありません。厳しく叱れば一時的におとなしくなります。しかし、子どもが「聞きたい」から静かにしているわけではないので「話を聞く力」のレベルは育ちません。
よって、理想は叱るのではなく「聞く大切さを理解し、自発的に聞く姿勢をもってもらう」というのが理想です。そして、楽しみながら身に付けることができれば、なおよいです。
今回はそんな、遊びながら子どもに聞く大切さを実感してもらうためのゲームを紹介します(^ ^)
話を聞く力を育てる遊び
以下で3つ紹介します。
①間違い探しゲーム 〜人を見る力〜

<ルール>
子どもを一人前に立たせて、覚えてもらい、隠れて先ほどとは違う箇所を作って、子どもたちで変わったところを当てる。
<流れ>
- 誰か協力してくれる子を1人選ぶ
- 前に立たせる
- 10秒間、その子の特徴を覚える
- 時間がきたら廊下で、先ほどと違う箇所をいくつか作る
例)
▶︎ 髪の分け目を反対にする
▶︎ マスクをつける
▶︎ シャツを入れる
▶︎ ハンカチを反対のポケットへ
▶︎ ミサンガをつける
などして、再度前に立ってもらい、どこが変わったか当ててもらう。
「覚える」「間違いを探す」という箇所で真剣に子どもを見るので、正解した子を取り上げて
「静かに集中して見てるからですね(^ ^)」
という評価して、話を聞く時に大切な「静かに人を見る」という価値観の形成につなげることができます。
②聖徳太子ゲーム 〜話を聞く力〜

<ルール>
3人で同時に喋って、誰が何を言っているのか当てる
<流れ>
- 希望者を選ぶ
- 前に出す
- 3人は後ろを向いて何をいうか決める
- 前を向いて同時に喋る
- 誰が何を言ったか当ててもらう
という流れで行います。
よくあるゲームですが、
「静かに集中しているから、理解できるんですね(^ ^)」
と、よく聞いている子を褒めて取り上げることで、「話の聞き方」とメリットを子どもに指導することができます。
③船長さんゲーム 〜話を長く聞く力〜

<ルール>
船長さん役の人が、「命令です!」という言葉をつけた後の指示に従う。
また、「命令です!」と言ってない指示には従ってはいけない。
メインの活動の前のウォーミングアップの遊びとして取り入れられる事が多いです。
「命令です」という言葉と、その後の指示の言葉を長時間、聞き分ける必要があるので、聞くための集中力が高まります。
最後に
紹介したゲームは一例なので、ぜひ他にも探してみてください!子どもの交流を進めたり、仲を深めるためにレクを取り入れる先生は多いと思いますが、そこで「楽しい!」で終わるのではなく、
「『話を聞く』などのルール、マナーを守ることが結果的に良いことにつながる」
という経験を積むことで、話を聞く力を鍛えていきます。
遊びを通した指導は楽しく成長できますので、参考になれば幸いです(^ ^)
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