服へのこだわりが強い子への対応

ASD

服へのこだわり

発達に困難のある子の中には、自分が着る服にこだわってしまう子がいます。

大好きなキャラクターが描いてある場合もありますし、感覚の過敏性があり、服の素材にこだわっている場合もあります。反対に、触覚に鈍感性がある子(低反応の子)の中には、寒さに気づかないことで薄着にこだわって、風邪を引いてしまう子もいます。

今回は、このような「服へのこだわりがある子」に、どう対応して行くのか一例を紹介します(^ ^)

①練習して慣れる

子どもの時は、親が服を買ってあげることは多いと思います。しかし、いざ家を出ようと服を渡してあげると、「やだ!」とごねてしまう、というケースはあります。

よって、新しい服は、「練習してみよう!」と声をかけ練習することが大切です。この「練習」という時間にすると、比較的子どもは素直に聞いてくれることが多いです。

これは、

 ▶︎ 「着るのはその場だけであり、すぐ脱げる」ということがわかっている
 ▶︎  大人が近くにいて一定の安心感がある状態で着ることができる

という条件なので、子どもも取り組みやすいからだと思います。

触覚過敏がある子でも、安心感がある場ではある程度、過敏性が和らぐので徐々に着ることができるようになります。(逆に、無理やり着せると過敏性が悪化するので、調子の悪い日は練習の延期をお勧めします)

また、練習の時は大人も一緒にやることが大切です。「立場の違い」という抽象的なことを感じるのが苦手なASDの子に多いですが、自分だけ練習をしていると、「なんで自分だけ頑張らなきゃいけないの!」と不公平さを感じて、放り出してしまう子がいます。

そこで、「お父さんはズボンとベルトを練習するから、Aくんは新しいパンツとズボンを着てみよう!」のように、一緒に練習しよう!という声かけであればお互い平等ですので、比較的受け入れてくれます。

「大人は子どもを教える存在」と理解することは、社会性の困難をもつ子には難しいと言えます。

②寒さ、暑さを教える

子どもの中には、気温に合ってない服をチョイスしてしまう子は多いです。これは、「元々子どもは基礎代謝が大人より高い」という傾向があるためと言われます。

一方で、「気温に合わせて服を選ぶ」という行為は認知能力が必要な作業でもあるので、困難のある子には適切に教えてあげる必要があります。ステップとしては、

暑い日には、

 ▶︎ 「今日は暑いね!」
 ▶︎ 「気温が高いね!」
 ▶︎ 「暑いから汗かいちゃうね!」
 ▶︎ 「暑くなってきたら、上のトレーナーを脱いだ方がいいね!」

など、「暑い、気温が高い」などの気温関連のキーワードを適切に言語化して声をかけてあげることです。体験と同時に、状況に会った言葉を丁寧に伝えるだけで、子どもの理解は早まります。

同様に、寒い日には、

 ▶︎ 「寒いね、風邪ひいちゃうね!」 
    ▶︎
「寒いから息が白いよ!」
 ▶︎
「寒いから鳥肌立ってるよ」

と状況を省略せずに言葉で伝えてあげる。そして、「寒いから上着をきた方がいいね」「寒い時は風邪を引いてしまうから、短パンはやめた方がいいよ」と、理由と伝えたいことをセットで穏やかに伝えてあげると良いでしょう。

日本は「言わなくても伝わることを重視する文化」ですので、意外と大人は言葉を省略して伝えてしまいがちになります。定型発達の子であれば、言葉が足りなくても予測して動けますが、言語に苦手さを抱える子が多いASDの子などでは、言われていないことはわかってない、ということがよくあります。

まずは、大人が丁寧に話しかけてあげることで、子どもが状況を認識できるまで、伝えてあげましょう。

③TPO に合わせる

服にこだわりがある子は、冠婚葬祭などTPOに合わせて服を変えることが苦手です。いきなり「今日はこれを着て!」と慣れない服を渡すのは難しいので、イベントがあるときは事前に

「◯月◯日に、この服を着るからね^^」

と事前に見通しを持たせておき、練習をしておくと良いでしょう。特に、蝶ネクタイやサスペンダーなどは、着心地が変わり苦手な子もいるので、事前に慣れておくことが大切です。

最後に

最近は、暑かったり寒かったり季節の変わり目を感じることが多いです。このような、日によって服装をコロコロ変える必要がある時期は、服にこだわりがある子にとって大変です。体調を崩さず、健康的に過ごすために、コロナにもかからないために、服装指導を充実させていきましょう(^ ^)

以上です!

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