人には得意不得意がある
▶︎ 片付けるのが得意な人、苦手な人
▶︎ 作文が得意な人、苦手な人
▶︎ 地図を読むのが得意な人、苦手な人
どんな人にも得意不得意があります。
これには色々な要因がありますが、脳の情報処理のタイプで決まることが多いです。自分のタイプを把握すると、苦手なことも解決策が見つかるかもしれません(^ ^)
そんな脳のタイプの中から今回は、同時処理と継時処理について紹介します!
同時処理能力

同時処理とは、その名の通り情報を同時にまとまりとして考える力のことです。また、複数の情報から、関係性や因果性を発見する力でもあります。
同時処理が得意な人

同時処理の力が高い人は、
▶︎ 仕事で最初に目的を教えると理解が早い
▶︎ 地図を見て位置関係の把握ができる
▶︎ 料理、洗濯、掃除を同時に進められる
▶︎ 曖昧な指示でも動ける
▶︎ 一見無関係なものでも規則性を見出して覚える
など、複数のことについて同時に考えたり、関係性や規則・ルールを見つけることが得意な傾向があります。
街を歩いてても「多分あっちだよ」と目的地を感覚で理解したり、仕事で「目的がこれだから、この仕事は必要ない」など、全体を見通した行動が得意なことが多いです。
同時処理が苦手なこと
一方、同時処理の力が苦手な人は、
▶︎ やり方だけ指示された仕事
▶︎ 順序立てて考える仕事
などが不得意な傾向があります。
文字だけで紹介されている説明書などは、「なぜそれが必要なのか?」という目的がわからないので、理解するのが苦手なケースが多いです。また、全体を見て考えることができる代わりに、大雑把に捉えるため細部のミスが多くなります。
同時処理の子が作文を書くと、助詞が違ったり、線が一本足りなかったりして、細かいミスで注意されることも多いです。
継時処理能力

継時処理とは、順序立てて考えたり、時間の流れに沿って考える力のことです。
継次処理が得意な人

継時処理の力が高い人は、
▶︎ 仕事においてやることを順番に説明された仕事
▶︎ 文章で目的地まで示されていると、すぐに理解できる
▶︎ 家事を料理、洗濯、掃除と1つずつ行っていく
▶︎ 見本があると、同じようにできる
▶︎ 1つずつ行うので、細かいミスが少ない(作文など)
▶︎ 説明書を読むのが得意
などの行動が見られます。
「最初に〜して、次は〜、最後は〜した。」と時間に沿って考えているので、経験したことが記憶に残りやすい人が多いです。
また「手順の再現が得意」なので、相手に説明することも得意ですし、一度作った料理などは手順で記憶しているので、再現する力が高いと言われます。
事務仕事など、手順が大事になる仕事が得意な人が多いです。
継次処理が苦手なこと
継時処理タイプの人は、目的や最終地点など全体だけを示されてもイメージが湧かないので、全体的な情報だけを示されると、混乱してしまうことがあります。
また情報が不足している場合も、見本がいないと「何からすれば良いの?」と困ってしまい人が多いです。
よって、マニュアルのない臨機応変さが求められる仕事は苦手な傾向があります。
両方意識する
2つの力は全ての人が持っていますが、多くの人は得意な力を無意識に優先して使っています。そして発達障害を抱えている人は、定型の人より強く偏っていることが知られています。
よって、授業など集団に対して情報を与える時に、文字だけで伝える、絵だけで伝えるなど、偏って伝えるのは望ましくありません。
▶︎ 声で指示する → 黒板に手順を書いてから指示する
▶︎ 全体の目的・概要を伝える→ 次に1から順序立てて説明する
▶︎ 全体図を示す → 手順・マニュアルを示す
という、同時処理タイプと継時処理タイプどちらにも入る説明の仕方が重要です。
最後に

脳のタイプは近年よく聞くようになりましたが、実際の支援現場ではあまり活用されていません。
ちなみに、情報提示の基本は、全体も手順も両方提示することが基本です。
「同時処理と継時処理の二刀流」
を意識して、どちらのタイプの人にもわかりやすい指示、説明ができると良いですね(^ ^)
参考になれば幸いです!