多動衝動性の強いADHD症状がある子を育てる時のコツ

困ってしまう子

   ▶︎ 言うことを聞いてくれない
   ▶︎ 喧嘩をする
   ▶︎ 周りと一緒に動けない

などの多動・衝動が強い「やんちゃ君・やんちゃ姫」な子どもたちには困ってしまうことが多いです。

最近は、ADHDという症状が理由の一つであることは知られてきていますが、結局どう育てていけばいいのかわからない、という親御さん、先生は多いです。ここでは、多動・衝動性が強い子を育てる時の考え方を紹介します。

我慢する機能が3年遅れている

まず、多動・衝動性が強いADHDの子どもたちは、脳の「我慢する力(抑制脳)」の発達がADHDがない子と比べて、2〜3年遅れて発達することが知られています。

(緑:定型発達の子(発達障害のない子) 青:ADHD症状のある子)

上の図のように、定型発達の子(いわゆる普通の子)は、「我慢する力」が5歳頃から発達し、8〜9歳程度でほぼ大人と同じレベルになります。

しかし、ADHD症状のある子は、定型発達の子より遅れて11〜12歳ごろに追いつきます。全ての子に適応はできませんが、より多くの割合の子が上図のように成長します。実際に、小学校5〜6年生になると、多動・衝動性は落ち着くという子は多く、小学校などでは高学年になるほど静かな教室になります。

つまり、多動・衝動性が強い子は、周りより2〜3年程度、行動幼いだけで、脳の発達が追いつけば周りと変わらなくなるのです。「小さい頃はあんなにやんちゃだったのに、しっかりしたね〜」と褒められている中学生の男の子は、このパターンであることが多いです。

できないことで叱られると二次障害になる

そもそも、周りに合わせるのが難しいことに理解をされないと、

   ▶︎ 周りに合わせなさい!
   ▶︎ じっとしなさい!
   ▶︎ なんで喧嘩するの!

と叱られてしまいます。

しかし、できない原因は、脳の発達の遅れのせいなので、叱られても行動は改善しません。そのまま叱られ続けると、自己肯定感の低下や過度のストレスにより、喧嘩を繰り返したり、非行にはしったりするなどの二次障害を発症する可能性があります。

よって、5〜10歳(年中〜小学校4年生)ぐらいまでの間の多動・衝動性が強い子どもは、適切な行いを指導すると同時に、11歳(5年生)ぐらいまで待つことが大事になるのです。

「周りと同じようにできないから叱る」という行為は、基本的に子どもにとってマイナスにしかならないのです。

最後に

多動・衝動性が強い子は、どうしても目立ちます。しかし、その子自身に何も悪いことはありません。多少イライラしても焦らず、育つのを待ちましょう。(高学年になる頃には落ち着くもの・・・と見通しが持てれば少しは楽になると思います。)

大人だって、先に出世していく同期の仲間を見るのは辛いです。しかし、焦らず成長を待って、実力がついてくれば、そのうち立派な戦力となって活躍してくれます。多動・衝動性が強い子は「大器晩成」タイプなのです。大人は暖かく見守ってあげましょう(^ ^)
以上です!

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