ゲームをやめられない子の対応③【危険な行動・許しがたい(すぐに止めさせたい)行動】

3つの分類

はじめに、前回と同様に子どもの行動を3つに分類し、整理していきましょう。

①好ましい行動
・肯定的な注目を与える。(褒める)

②好ましくない行動
・スルー=注目を取り去る、好ましい行動を待って褒める。

③危険な行動・許しがたい(すぐに止めさせたい)行動
・制限を設ける、警告(イエローカード)と罰(ペナルティ)

そのうえで、③に該当する行動が今回のターゲットとなります。

具体的な実践例

それでは、子どもの行動を分類していく際のセカンドステップ「 ③危険な行動・許しがたい(すぐに止めさせたい)行動 」について考えていきたいと思います。

今回押さえるべきポイントは「可能な限り子どもの力を信じてみる」「警告・罰は極力使わずに、最終手段として用意しておくこと」です。


例:子どもがゲームをしている

0.ルールの確認。
親:「〇分経ったら電源を切って終わりにしようね。お約束が守れなかったら30分ゲームを預かります。」と伝える。

1.終わりの時間が近づいてきた時
親:「後、○分で終わりだね。」と伝える。

2.終わりの時間になった時
親:ここで終わろうとすることができれば「褒める」。
(※少しでも終わろうと動きはじめたら、褒める)

3.まだやめようとしない
親:スルーし、否定的な注目を与えないで待つ
⇒待っていたら、自分でゲームを終えることが出来た
 親:分かりやすく子どもの喜ぶ形で褒める

4.待ってもゲームをやめようとしない
親:「ゲームをやめなさい」と効果的な促しをしたり、スルーし、否定的な注目を与えないで待つ
⇒ゲームを終えることが出来た
 親:分かりやすく子どもが喜ぶ形で褒める

5.それでも指示に従えずにゲームをやめられない(警告:イエローカード)
親:「ゲームをやめられないのなら、今日はもう使えません。」と警告をする
⇒ゲームを終えることが出来た
 親:分かりやすく子どもが喜ぶ形で褒める

6.警告後もやめられない(罰:ペナルティ)
親:「やめられないから、ママが30分預かります。」と伝え、ゲームを預かる。
⇒ゲームを預かる。
 親:それ以上は怒らず、子どもに小言を言わずに、水に流す

「③危険な行動・許しがたい(すぐに止めさせたい)行動 」を伝える時のポイント

制限や警告・罰を与える際のポイントは以下の通りです。

警告(イエローカード)

〇やめてほしい行動、従うべき行動を明確に伝える
 指示を出すときと同様に、子どもがとるべき行動を具体的に伝えましょう。

〇従わなかったときのペナルティーを明確に伝える
 自分の選択に責任を取るため「おもちゃを投げたら、10分間遊びをやめます。」と具体的に伝えましょう。

〇警告は一回だけ
 警告は子どもが指示に従える最後のチャンスです。何度も繰り返す必要はありません。その後警告に従ったら褒めてあげましょう。

罰(ペナルティ)

〇ターゲットを決めておく(一つか二つ)
 ターゲット行動(許しがたい行動)を決めてそれを制限の対象にしましょう。

〇制限や罰は即座に、躊躇せず、やり通す
 宣言だけで終えてしまうと、その後子どもは指示や警告に従うことができなくなってきてしまいます。

〇短期間のペナルティー
 ペナルティーの後にもっと適切な行動をするチャンスを与えましょう。

〇問題行動と結びついている方が好ましい
 できるだけその行為と関係のある内容にして、行動の責任をお子さん自身にとらせるようにしましょう。

〇体罰は避ける
 体罰や暴力でコントロールされてきた子どもは、体罰や暴力で人をコントロールする方法を学んでしまいます。

〇ペナルティーの内容はあらかじめ共有しておく
 あらかじめお子さんに伝えておきましょう。お子さんが、行動を改めたらすぐに褒めます。

まとめ

子どもは、他者から注目されると、その行動を繰り返します。

具体的にすべきことを伝えてできたときに褒めることで、お子さんの望ましい行動が増えていきます。

警告や罰は最終手段となります。効果的ではありますが基本的には子どもが自分の力で行動や感情をコントロールするための機会を与えその様子を見守ってあげることが大切です。

主に許しがたい行動(暴言や暴力といった自傷他害、モノを壊すといった危険度の高い行動)に対して活用するぐらいにとどめておきましょう。

お子さんの望ましい行動を増やして、大切なお子さんの発達につなげていけると良いですね。

分かりやすく「伝えて、示して、させてみて、できたら褒める」を繰り返す。

ぜひ試してみてくださいね。

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