子どもの非行化を防ぐための手立て(保護者編)

1月・2月と、こども発達支援研究会理事の石黒先生と、講師であり元法務教官(少年院の先生)の安部先生とお話をさせていただく機会がありました。
「子どもの非行化を防ぐための手立て」というテーマで対談させていただく中で、出てきた話の一部を、私の考えを交えながらお伝えしていきます。

●子供の名前の由来はしっかり伝えていきましょう

子供の名前には、親の思いが込められているものです。
子供は、大きくなるにつれて自分の名前の意味を物事の判断材料にすることも出てきます。

笑顔を大切にしてほしいと願われた子は、つらい時も笑顔を大事にしようと思うでしょう。
父親の名前の一部をもらった子は、父だったらどう考えるだろうと思うでしょう。

名前は時に心の支えになります。

道を外れたり外れそうになった時、心の支えが一つでも多くあると、踏みとどまったり、やり直そうという気持ちになれるものです。名前はパーソナリティの原点です。

●イライラすることは悪いこと?

「アンガーマネジメント」と聞くと、「イライラを抑え込むこと」と受け取られることがあります。

思い通りにならなくて暴れてしまうタイプのお子さんは、イライラすることはよくないこと、と捉えている子も少なくありません。


もちろん、できるだけイライラしない環境に身を置く、ということもとても大切ですが、イライラすることは人として必要な特性であり、大切な力です。場合によっては、怒りは行動の原動力にもなります(心理学でいう「昇華(しょうか)」)。


アンガーマネジメントは、イライラしない方法でなく、「イライラと上手に付き合っていく」という考えが大切です。その場でできることとして、深呼吸をする、6秒待つ、水を飲む、その場から離れてクールダウンする、などがよく言われます。

あくまで一つの考察にすぎませんが、そういったタイプの子が非行に進むかどうかの一つの違いとして、「イライラした時の適切な発散方法を知っているか(教わってきているか)」という点があげられると考えます。

  • イライラすることは誰でもあるし、イライラしていいよ、と認めてあげること
  • イライラした時は○○をしよう、と、その子やその子の環境にあった対処法を一緒に考えること
  • 暴れてしまっても、前よりもよくなったことを見つけて伝え、成長を確認してあげること

私はこの3つをベースに支援に当たっています。

●非行少年は悪いことをしたい?否、楽しいことをしたい!

今回の対談で、私が一番はっとした内容でした。

家にいても楽しくない、学校に行っても楽しくない。そう感じている子は、我慢ばかりしていることがあります。

「あれをやってはいけない」「これをしてはいけない」。周りの大人はそう言うけれど、大人になるって我慢しなければいけないことばかりでつまらない。そう感じている子たちが、ちょっとした火遊びに楽しさを覚え、万引きのドキドキ感にスリルを感じ、「間違った楽しい」を覚えてしまう。悪いことをしてやろうなどと思わずに非行をしてしまう。

そこで大切なことは、我々大人が楽しんでいるか。楽しんでいることを子供たちに伝えてあげられているかということです。


大人が楽しみを伝えるのは仕事に限る必要はありません。スポーツや読書、買い物や旅行など、「こんな人生の楽しみ方もあるんだぞ」、「俺は(私は)我慢なんてしないで(非行以外の)好きなことをやって楽しんでるぞ」と、子供が「それ、なんか楽しそうっすね!」と思えるような姿を見せてあげましょう。

●「なにがあっても見捨てない!!」覚悟と宣言

非行に走りやすい子供の傾向の一つとして、たくさん怒られてきた経験をもつ子がいます(怒られた経験がないという子もいます)。頑張ろうとしているのに周りの子と同じようにできず、その度に叱られ自己肯定感を失っていきやすいです。

頑張ってもできない→叱られる→自己肯定感の低下→頑張れない→叱られる→自己肯定感の低下→・・・

という負のスパイラルが始まり、安易でワクワクする非行という方法に流されていきます。


「しっかりした子に育ってほしい」「周りの子と同じようにできるようになってほしい」「周りに迷惑をかけないようになってほしい」という思いからの叱責なのですが、その思いはなかなか伝わらないものです。

大事な場面では、「それはやってはいけないことだ」と、はっきり伝えることは大切です。

「よくないことをしたら叱るよ」と伝えると同時に、「どんなに失敗を繰り返したり、よくないことをしたりしたとしても、絶対にあなたのことは見捨てないよ」ということもはっきり伝えましょう。そして、もう一回頑張ってごらんと、背中を押し、できたことを認めていってあげましょう。

それは、子供にとっての心のよりどころ(安全基地)になります。


たくさん失敗したけれど、これができた→また頑張ってみよう→できることが増えた、という良いスパイラルにもっていきたいですね。

まとめ

よくないことが繰り返されると、「もう知らない」と投げ出したくなる時もあるでしょう。
しかし、見捨てない覚悟とともにその言葉はグッとこらえましょう。そして、子供が何を求めているのか、子供の名前にどんな思いを込めたのか、時々立ち止まって思い出してみましょう。

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