こだわり行動に寄り添う

こだわり行動は、

▶「おもちゃに夢中で遊んでいる」
▶「ずっと図鑑を読んでいて声を掛けても動かない」
▶「タイヤが回るのをひたすら見続けている」
などなど、こだわり行動には様々な行動やレベルがあります。

ただ単に夢中になっているだけならそれほど気にはしないかもしれませんが、集団行動になじめないと気になる方も増えてくると思います。

周りから見たら、こだわり行動は一見「わがまま」「迷惑な行為」と見られがちですが、本人にとっては、過剰情報(聴覚過敏、情報量が多すぎるなど)の適正化を図ったりする「自己調整行動」であったりもします。

では、この自己調整行動を受容しつつ、何かに夢中になっている子供とコミュニケーションをとったり、次の行動に移したりするためにはどうしたらよいか。3つの対応法をご紹介したいと思います。

①長期的対応「JOIN(こだわり行動に参加する)」

子供との信頼関係がまだ成り立っていない、そして、時間をかけて対応する時には、子供のやっている行動にJOIN(参加)してみましょう。

例えば、

  • おもちゃに夢中 → 隣でおもちゃで遊んでみる
  • ずっと図鑑を読んでいる → 隣で図鑑を読んでみる
  • タイヤを見つめている → 隣でタイヤを見つめてみる

JOINする際、気を付けることは

  • 近づきすぎない
  • アピールしない
  • アイコンタクト

「何してるの~?」「先生も入れて」などの子供を引き寄せようとするアピールは逆効果な可能性もあります。

隣(あるいは少し離れた所)でしばらく同じことをし、大人がわざと上手に遊べないふりをしたり、わざと「こんな虫初めて見た」などと言ったりしていると、こちらを気にして目が合ったり、場合によっては、「こうやるんだよ」などと、近づいてきてくれたりすることもあります。


私がJOINを学んだときは「呼吸をそろえる」と教わりました。

息遣いのタイミングを合わせるがごとく、子供と同じ高さに目線を下げ同じことを同じようにやってみる。「隣(少し離れた所)」といっても、子供とのその程よい距離感をつかむには少し感覚的なものが必要だったりします。

まずは、本当に呼吸(息遣い)のタイミングを合わせるところから始めるのもいいかもしれませんね。

②短期的対応Ⅰ「同等に注意をひくものを与える」

こだわり行動が自分の感覚困難を和らげるため(自己調整行動)と考えると、

授業中、じっとしていられない、ずっと何かを触っていて音を立ててしまう                  →お気に入りの人形を持たせる、人工芝を机の裏に貼って触らせる

などの対応が考えられます。

自己調整の機能をもち、かつ、周りに迷惑が掛からないものや行動を許可するという方法です。

ここで気を付けなければいけないことは、「子供によって好みや関心が違う」ということです。          人形にしても人工芝にしても、重さや手触りは様々です。子供が気に入ったもの家庭から持ってくる、あるいは、いろいろなものを実際に触って選ばせる、などの準備が必要になります。

子供の関心を把握したり、何が合うか色々と試したりする必要があると考えると、長期的対応と捉えることも必要かもしれません。

③短期的対応Ⅱ「活動のタイミングで切り替える」

こだわりがある子にとって、活動を途中でやめるということは我慢するというエネルギーがとても必要になります。その力が身についていない場合、癇癪を起こしたりふさぎ込んでしまったりすることも多いでしょう。

大人でも、あと一問なのに試験時間が終わってしまった、となると回収までにささっと書いてしまいたくなる衝動にかられますよね。

同じように「〇時になったらおしまい」の場合、本人にとって活動が中途半端になってしまいます。      「(本の)第一章が終わったら切り替える」「(LEGOの作品を)あと一つ作ったらおしまいね」など、活動の節目、つまり区切りのいい所までいったら終わりにするという見通しをもたせてあげると、スムーズに切り替えられることが増えます。

切り替えられたところで即時評価も大切です。
「切り替えることができたね!」と褒めることで、「切り替えられたこと」が適切な行動なんだよ、ということを伝えていきます。そして、「活動の途中でも切り替えること」ができるように少しずつシフトしてきます。

こちらも、その場で対応という意味では、短期的対応ですが、少しずつ時間で区切れるようにしていくという意味では、長期的対応と思っておくことも大切です。

まとめ

さて、子供のこだわり行動に対する3つの対応方法を紹介しました。どの対応にも大切なキーワードは「子供の呼吸に合わせる」ということです。

子供がなぜ切り替えられないのか、何に興味関心があるのか、よく把握しておくことが必要になります。上から子供を見下ろすのではなく、時には膝をついて心も体も子供の視線まで落として呼吸をそろえてみましょう。

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