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ソーシャルスキル

自己肯定感を高める ~子どもの非行化を防ぐための手立て(支援者編)~

子どもが非行に走ってしまう理由には、非常に多くのバックグラウンドが存在します。成育歴、家庭環境、社会性、人間関係など、多くの事象が絡み合って子どもたちの人格を形成していきます。今回は、私が支援者として大切にしていることや、支援の中で出会った事例の一部を紹介します。支援者としてだけでなく、保護者としてもつながる部分も多くあるかと思います。 ●ほめることを大切にする 小学校の通常級担任として規律ある学 […]

子どもの非行化を防ぐための手立て(保護者編)

1月・2月と、こども発達支援研究会理事の石黒先生と、講師であり元法務教官(少年院の先生)の安部先生とお話をさせていただく機会がありました。「子どもの非行化を防ぐための手立て」というテーマで対談させていただく中で、出てきた話の一部を、私の考えを交えながらお伝えしていきます。 ●子供の名前の由来はしっかり伝えていきましょう 子供の名前には、親の思いが込められているものです。子供は、大きくなるにつれて自 […]

余暇スキルを育てる

余暇とは? 「余暇」とは、仕事と仕事の間や休み時間、休日などの自由な時間のことで、「元気回復の時間」ともいわれます。余暇スキルとは、余暇を充実させて気分をリフレッシュさせる力です。 私の場合は、社会人になってすぐはリフレッシュが本当に下手で、休みの日も仕事のことが気になって常に不安な気持ちをもっていました。なかなか気が休まりませんでした。 今のリフレッシュ方法は、運動をする、子供と遊ぶ、カフェで読 […]

ゲームをやめられない子の対応③【危険な行動・許しがたい(すぐに止めさせたい)行動】

3つの分類 はじめに、前回と同様に子どもの行動を3つに分類し、整理していきましょう。 ①好ましい行動・肯定的な注目を与える。(褒める) ②好ましくない行動・スルー=注目を取り去る、好ましい行動を待って褒める。 ③危険な行動・許しがたい(すぐに止めさせたい)行動・制限を設ける、警告(イエローカード)と罰(ペナルティ) そのうえで、③に該当する行動が今回のターゲットとなります。 具体的な実践例 それで […]

ゲームをやめられない子の対応②( スルーする、スルー=注目を取り去る、好ましい行動を待って褒める。)

3つの分類 はじめに、前回と同様に子どもの行動を3つに分類し、整理していきましょう。 ①好ましい行動・肯定的な注目を与える。(褒める) ②好ましくない行動・スルー=注目を取り去る、好ましい行動を待って褒める。 ③危険な行動・許しがたい(すぐに止めさせたい)行動・制限を設ける、警告と罰(ペナルティ) そのうえで、②に該当する行動が今回のターゲットとなります。 具体的な実践例 それでは、子どもの行動を […]

ゲームをやめられない子の対応(① 肯定的な注目を与える、ほめる)

「ゲームをなかなかやめられない」 そういった場面でお困りになることはありませんか? 最近は、ゲーム以外にもYouTube、VR、スマホアプリなど子どもにとって魅力のあるものが簡単に手に取れる時代となってきています。そういった誘惑とは適度に付き合ってもらいたいですよね。 そこで、今回は「ゲームをやめられない子」への具体的なやりとりのコツとして、応用行動分析という方法をご紹介します。(子どもの好ましい […]

時間を守るのが苦手な子への対応

「うちの子、時間が守れなくて困っています。」 そんな質問をいただくことが度々あります。 言いたくないけど、ついつい言ってしまいますよね。 お子さんが時間を守れない原因は一体何でしょう? 4つのパターンを考えてみましょう。 1.「時計が読めない。」 時計の学習は小学校低学年で行います。 単純に時計が読めないだけでしたら、学習した後、生活の中で少しずつ 身に付いていきます。5年生の移動教室で5分前行動 […]

暴力暴言を改善するにはどうすれば良い? 〜衝動性×注意機能アプローチ〜

暴言暴力の多い子 先生が子どもの指導をしている時に、最も困ってしまう行動は暴言暴力の多い子です。 子どもにも色々な背景がありますが、暴言暴力は生きていく上で、社会的にアウトな行動ですので、何としてもやめさせなければいけません。 しかし、子ども自身もパニックの状態であったり、様々な過去の経験から起きていることも多いので、改善は難しく、苦手な先生も多いです。 その結果、威圧的な指導や恐怖的な対応に頼ら […]

子どもに伝わる叱り方とは? 〜発達段階に沿って言葉を変える〜

相手のことを考えない発言 子どもは発達段階の途中ですので、衝動的に行動することも多いです。つい、「相手のことを考えなさい!」と叱ってしまうこともあるかと思います。 しかし、叱っても時間が経てば同じことを繰り返す。何度言っても変わらない、そんな時もあるかもしれません。 子どもが喧嘩をしていたら・・・ 例えば、放デイの療育の時間 ▶︎ Tくんが、Yくんに「そんなの簡単じゃん!」と言う&# […]

『人の役に立ちたい』と思うことは危ない?自己肯定感のあり方を考える

自己肯定感の調査 内閣府では、子ども・若者育成支援推進法に基づき、「子供・若者白書」を作成しています。 こちらの資料では、日本と海外の若者が比較検討した資料が公開されており、日本の若者は自己肯定感が低い、ということが報告されています。 このような調査をもとにして、自己肯定感を測っているわけですが、ほかにも、 ▶︎ 自分には長所があると思う▶︎ 自分の考えを相手にはっきり […]

感情の整理が苦手な子の原因と、アンガーコントロールを教える方法

アンガーマネジメント アンガーマネジメントの重要性は、よく言われます。しかし、実際にキレやすい子に感情コントロールの方法を教えるのは大変です。 また、アンガーマネジメントも種類がありますが、今回はASD(自閉症スペクトラム)があり、認知が偏っているケースでの教え方を紹介します。 横断歩道を渡ろうとすると ASDの子は、様々な特性を持っているが故に、世の中の捉え方も、定型発達の人とは異なっていること […]

パニックになりにくい子の特徴

パニックになる子 子供を育てていると、パニックになっている子に対応する瞬間がたくさんあります。 成長中の子供たちにとって、時には爆発してしまうことは、誰にでも起こりうることです。(これは大人でも同様ですね笑) パニックになりにくい子 逆にパニックにならない子、気持ちが安定している子にはどんな特徴があるのでしょう? 色々な要素がありますが、 「嫌な体験をした時に何を言えば良いか理解している子」 はパ […]

「優しさ」はどう教える? 〜共感より◯◯が大事!〜

優しい人になって欲しい? 大人は「優しい人に育って欲しい!」と思い、子供に様々なアプローチをしますが、なかなか思った通りには育ってくれません。心ない言葉や汚い言葉、アニメの影響で「ぶっ殺す!」なんて言葉が出た時には、つい叱ってしまうこともあります。 思い通りにならないのが子供という存在と言えますが、一体どうすれば優しく、思いやりのある行動を教えることができるのでしょうか? 共感を育てるには注意が必 […]

叱ることの4つのデメリット 〜行動科学の視点から〜

褒める?叱る? 「私は子どもを褒めて育てたいです!」「いや、叱ることも大切です!」 という、褒めるか叱るかは常に話題になりますが、今回は、「叱ることの4つのデメリット」を紹介します。 抑えておくこと <前提①> この叱るか褒めるか?を考える時に大切なことは、「子どもとの信頼関係」です。 なぜなら、信頼関係があれば、褒めても叱っても大人の意図が伝わり、子どもたちは成長していくからです。 今 […]

トラブル後のソーシャルスキルの高め方 〜すぐ謝れる子と謝れない子の違い〜

トラブルがあると・・・ しかし、大人がトラブルの仲裁に入ると、「ごめんさない」とすぐに謝れるがいる一方で、謝ることができない子がいます。大人としては、「とりあえず喧嘩したことは謝ろう!」と伝えますが、頑固な態度につい、 「謝りなさい!」「あなたもやったんでしょ!」「あなたにも責任はないの?!」 一体どうすればいいでしょうか? すぐに謝ることができない子 先生が「謝ろうね」と言っても動かない。「何か […]

パニックになってしまった子への対応事例 〜スモールステップと共感と言語化の使い分け〜

パニックの対応 放デイや学校現場にいると、パニックになった子どもに対応する場面によく遭遇します。 どんな人でもパニックになる可能性はありますが、教育・児童福祉の現場ではASDのこだわり行動や感覚過敏など特性をもっている子に対して、大人が特性対応を知らないで引き起こしてしまうケースは多いです。 今回は、中の人がパニックになった子どもに対応した時のエピソードと、その時に使った方法を合わせて紹介していこ […]

「話の聞き方」を教えるときの4つのポイント 〜静×聞×聞き方×定着〜 

話の聞き方が身につかない・・・ 子どもへの大切な指導に「話の聞き方」があります。  ▶︎ 先生が大事な話をしているときに、後ろを向いておしゃべりをしている ▶︎ 友達の発表のときに鉛筆をいじっている ▶︎ 自分の話だけして、相手の話を聞かない 話の聞き方が悪いと相手の子も話しづらくなりますし、子どもたち自身の「話す力」も伸びなくなります。 しかし、話を聞く […]

距離感が近い子にどう教える?  〜2つの原因と4つの対応〜

距離感が近い子 隣の子との距離感が近い、近くの子にベタベタ触るなど、適切に距離感をとるのが苦手な子がいます。 距離感の近さは、  ▶︎ 友達とぶつかってトラブルになる ▶︎ 近いと嫌な子に避けられる ▶︎ 男の子は、女の子との距離感を間違えると警察沙汰になる など、色々な出来事に発展しますので、「体が大きくなっても同じだと困る!」という親御さん、先生もいる […]

遊びながら「話を聞く力」を育てる 〜考え方と3つの遊び〜

話を聞く力 子どもに身に付けて欲しい力は多々ありますが、「話を聞く力は特に大切!」という人はいると思います。先生の話に集中してくれれば、活動・授業もスムーズですし、友達の意見を真剣に聞ける子が増えると、子ども同士の交流が活発になります。 しかし、大人の思いとは裏腹に「話を聞く」ことが苦手な子はいますし、特に、発達に困難のある子は苦手なケースが多いです。 なぜ話を聞けない? 「話を聞く」というのは、 […]

暴言が多い子への支援方法

暴言を吐いてしまう子 困難を抱えた子の中には、「死ね!」「うざい!」「きもい!」と望ましくない言葉を日常的に使ってしまう子がいます。 「そんな言葉を使ってはいけません!」「相手の気持ちを考えなさい!」 必死に注意しますが、直りません。口が悪いと対人関係でトラブルが多くなるので、将来が心配になります。 このような暴言の多い子への対応の一例を紹介します。 マイナス感情の言葉を教える 前提として、暴言を […]