通常級か特別支援学級か?

発達特性を持つお子様の就学前の進路を考える際、多くの方が通常級か特別支援学級かの選択を悩むことと思います。ここでは主として公立小学校・中学校で過ごす場合の選択肢、選択する際に考えるポイントをご紹介します。

①進路を考える時期は?

1)小学校入学の前年度に行われる市町村による就学相談時
就学相談は、文部科学省の指針に基づき市町村の教育委員会が行います。通常、年長時の5-6月頃に行われる身体検査および言語検査の結果、詳しい検査が必要と判断された場合に、7-9月頃個別検査(知能検査、社会生活能力検査)や幼稚園/保育園の訪問による行動観察が行われます。その後、「教育学、医学、心理学の専門家の意見」と「本人・保護者の意向」により就学先が決定されます。

2)学校過程の途中、あるいは中学校入学時
入学時に進路が決まっても、その後の学校生活の状況や本人・家族の希望により、通常学級から特別支援学級への移動、またはその逆も可能です。本人の学校生活の様子や希望により、所属学校、医療機関、特別支援教育センターなどと相談の上、学年変わりなどの節目に変更する場合が多いです。また、中学入学時に特別支援学級から通常級に移行する場合、あるいはその逆のケースもあります。

②具体的な進路は?

特別支援学校、また特別支援学級の就学基準は、学校教育法によって定められています。

1)特別支援学校
知的、視覚、聴覚、肢体不自由などが対象です。幼稚部、小学部、中学部、高等部があります。原則、1クラス6人までで、複数の教員が担当する事が多いです。

2)特別支援学級
知的、情緒、視覚、聴覚、肢体不自由などが対象ですが、自治体によっては対応のない学級があります。個人に応じた指導計画を作成し、教育課程を編成することでそれぞれのニーズに合わせた教育を行います。1クラスの標準人数は8人で、集中力や興味に合わせ1コマを分けて学習することもあります。
特別支援学級在籍のもと、子どもの特性や得意科目などに合わせ、一部を通常学級(交流級)で過ごすことも可能です(例:図工、体育、家庭科は通常学級で過ごし、算数、国語は特別支援学級で過ごす、給食は通常学級で食べる、など)。

3)通常級に所属し、通級指導教室を利用
通級指導教室とは、障害特性に合った個別の指導を受けるための教室です。通常学級に在籍しながら、週に数時間、少人数で特別支援教育を受けます。通級指導教室には専属の教師が配属されており、子どもの特性に合わせた相談を行うことがあります。
在籍校に設置されていない場合、近隣の他校に行くこともあります(その場合も、在籍校の授業は出席扱いになります)。特別支援学級と通級指導教室の二重在籍は不可となっています。

4)通常学級
標準人数は40名(令和4年度現在:低学年は35名)で、教育カリキュラムに沿った生活を行います。地域によっては少人数できめ細やかな教育を行う小規模特認校の制度があります。小規模特認校の特徴として、市町村全域から就学できること、特色ある教育カリキュラムを実践しているといったことが挙げられます。

令和元年度の文部科学省の資料(特別支援教育資料第1部データ編)によると、およそ特別支援学校は0.7% 、特別支援学級は3.1%、通級指導教室は1.8%の小学生が利用しています。他に、地域によっては特性に合わせた手厚い指導を受けられる私立学校、フリースクールも選択肢になります。

③通常級か特別支援学級かを考える際のポイント

第1に、子ども本人がその進路を希望しているかを考えることです。

親としては通常学級で大丈夫だろうと考えても、勉強についていけない環境や、大人数で学校生活に過剰な負荷がかかる状況が続くと、不適応を生じ不登校や二次障害の原因になることがあります。
小学校入学時には本人の意志を正確に把握することは困難ですが、あらかじめ通常級と特別支援学級それぞれの様子を見学することで、本人家族ともに安心感、納得感のある決定をすることが望ましいと考えます。

第2に、子どもがどんな支援を必要としているか、どこであればそれが受けられるかを考えることです。

地域や学年により支援を受けられる環境は異なるため(例:通常級でも加配の支援員・介助員についてもらうことができる、など)、事前に教育相談センターや、実際に特別支援学級や通級指導教室に通っている人から地域の情報を得ることが有用です。

通常級を視野に入れる場合、教師からの一斉指示が理解できるか、周囲のしゃべり声や人数の多さがしんどくないか、困ったときに自分から助けを求められるか、などがポイントになります。

一方、特別支援学級ではマンパワーの問題から学習面で十分なケアを受けられないこともあります。知的に問題がなく、情緒面の特性から特別支援学級を選択する際には、学校以外の場における学習支援の手だてがないか、併せて考えることが必要となる場合もあります。

④まとめ

無理な環境を選んで不登校や二次障害などの不適応を起こしてしまうよりは、本人のペースに合わせた学習を進めること、少しずつ頑張れる環境で成功体験を多く積むことが望ましいと考えられます。

通常級在籍の場合は通級指導教室を利用することも選択肢となるため、担任やスクールカウンセラー、医療機関など複数の視点から最適な環境をこまめに再考すること、またコミュニケーションをとりやすい環境を作ることが大切です。

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